【日本ペインクリニック学会 第60回学術集会発表】
演題は、
『C線維感作を示唆した外陰部 burning pain の1例』
です。
今回発表するのは、
産婦人科では明確な異常を指摘されなかったにもかかわらず、
外陰部の灼熱痛、軽い接触刺激で増悪する痛み、
性交困難を認めた症例です。
性交痛は、
これまで主に産婦人科領域で
語られることが多かったと思います。
もちろん、腟萎縮、GSM、感染、炎症、
皮膚疾患、ホルモン変化など、
婦人科的評価は非常に重要です。
しかし、
婦人科で明らかな異常が見つからなくても、
患者さんの痛みが
「存在しない」わけではありません。
外陰部の burning pain。
軽い刺激で増悪する痛み。
性交時の強い痛み。
痛みへの予期不安。
身体の防御反応。
そして、
慢性化した神経の過敏性。
これらは、
ペインクリニックが扱ってきた
難治性疼痛の病態と重なります。
痛みは、
組織の異常だけで決まるものではありません。
末梢神経。
C線維。
脊髄後角。
中枢感作。
神経可塑性。
痛みを繰り返すことで、
神経系そのものが痛みを覚え、
通常なら痛くない刺激まで痛みとして
感じることがあります。
性交痛もまた、
慢性疼痛として診るべき症例があります。
これは、これまで
ペインクリニックが
十分に扱ってこなかった領域です。
でも、外陰部痛や性交痛で
長く苦しんでいる患者さんは、
確実にいます。
婦人科で異常なしと言われた。
年齢のせいと言われた。
気にしすぎと言われた。
我慢するしかないと思っていた。
その痛みを、
痛みの専門医が、痛みとして診る。
神経として診る。
慢性疼痛として診る。
性医療と疼痛医療をつなぐ
一歩になる発表だと考えています。

