子宮頸がんや卵巣がんで
子宮を摘出される女性がいます。
.
生きるか死ぬかの手術、
厳しい抗がん剤治療を歴て
日常の性生活に戻ったら。
.
なんだか感じ方が違う、
オルガスムを得られない、
痛い、どうしちゃったんだろう?
.
とセックスの変化に
不安と葛藤に悩む女性がいることを
ご存知でしょうか?
.
しかも、
セックスの話ですから
主治医にも相談できなくって。
.
ということで、当院の
オンライン診療性交痛外来を
受診された女性のケース。
.
『OurAge』(集英社)の連載で
お話しています。
↓ ↓ ↓
《内容一部抜粋》
子宮頸がんの摘出手術では、
腟の円蓋部と呼ばれる部位を
切除します
.
(腟の入り口から子宮の入り口の間にある、
やや広くなった場所を
腟の「円蓋部」といいます)。
.
円蓋部を切除し、
縫縮(縫い縮める)手術を行うと、
腟の奥は、元の立体的なふくらみ
ではなくなっているわけやね。
.
子宮を摘出しただけではなく、
腟の形そのものが縫縮されて
小さくなったことで、
.
セックスの挿入の際の感度も変わった。
.
以前は奥に挿入されることで
快感を得られていたのに、
物理的な切除を行ったことで、
.
セックスをしても気持ちよくないわ、
当たって痛いわ、
「これは何なの?」となった。
.
その不安とつらさがまた、
痛みを増幅してしまった…
というわけなんよね。
.
手術は無事に成功したものの、
42歳という若さでオーガズムを
得られないのがつらいし、さみしい。
.
しかも、がんという
「生きるか死ぬか」の手術をしてくれた
産婦人科の医師に対して、
.
「セックスが痛くなって不満」
なんてことは言えない…。
そうだよね。そりゃそうだよ。
.
だから、勇気を出して
性交痛外来に来てくださった彼女の思いは、
私には痛いほどよくわかったんよ。
.
だからその患者さんには、
子宮頸がんの手術であなたの腟が
どうなったのか、
そのまま丁寧に説明をしました。
.
「セックスで感じないどころか、
痛くなった。おかしい!」
というところで止まっている彼女が、
今の状態を把握しないことには
先に進めない、と思ったからね。
.
子宮頸がんの場合、
がんの進行具合によっては腟の断端も
切除することがあるので、
絵を描いて説明もしました。
.
断端を切れば、
その周辺にある神経も切っている。
.
以前はこの神経が脳とつながっていることで、
オーガズムの引き金になっていたわけです。
.
また子宮頸部にはPスポットとか、
ポルチオなどと呼ばれる性感帯があって、
その部分も切除したことで絶頂感が変わった。
.
そういうことは
大いに考えられることなんよ、と。
.
↓ ↓ ↓
臨床麻酔実績2万例の麻酔科医が
医学的論拠を持って
わかりやすく手術をの状態、痛みを
お話しました。
.
子宮がんや卵巣がんなどの手術後、
五里霧中の患者さんの
お役に立てれば幸いです。
.
この続きは、
https://ourage.jp/column/kounenki_no_chie/more/343208/